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第06回 確実な「制裁」が可能か?

物流weekly 2010年連載特集「経営者への応援歌」(全10回)

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(2010.08.23号)

確実な「制裁」が可能か?

経営者にとって、自社の就業規則が他社と比べて良いのかどうかは、大変気になるところだと思います。

私どもの就業規則の良し悪しの判断は、経営者の裁量で制裁処分を行えるのかどうかです。なかでも、制裁処分の中の降格、降職という規定に注目しています。
この規定は、大変重要な規定にもかかわらず、多くの中小企業の就業規則で入っていません。 なぜ大事かというと、一般的な就業規則の制裁処分は、けん責、いわゆる始末書を取るというのが必ずあります。次に減給、出勤停止、その次は諭旨退職と懲戒解雇になっています。

例えば、セクハラを起こした社員を懲戒解雇に出来るかというと、程度にもよりますが、なかなか難しいでしょう。すると、けん責、減給、出勤停止のいずれかの処分を行うのですが、規定をよく読めば、減給とは「始末書を提出させ、1回の額が平均賃金の1日の半額、総額が一賃金支払い期における賃金総額の1割の範囲で減給します」となっています。
つまり、月額50万円の給与の者がいて、仮に1日当たり2万円だとすると、半分ですから1万円しか下げられません。もう少し重い処分を検討したいというと出勤停止ですが、同じく始末書を提出させ、7日以内において出勤を停止、と一般的に書かれているので、1か月14万円しか下げられません。
しかも、減給、出勤停止のいずれも、翌月以降は給与が元に戻るのです。

つまり、会社が恒久的な減給処分を検討しても現実には行えないのです。 
規定がないのに一方的に降格・降職処分した場合はどうなるのでしょうか。労働契約法第15条で、懲戒処分には、客観的に合理的な理由がない場合、その処分を無効とすると規定しています。
すなわち、降格・降職の規定なしに処分を行うと無効ばかりか、不支給の賃金を利息付きで返還しなければならなくなります。
就業規則を改正するならば、この規定は必ず検討しましょう。

(つづく)

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物流weekly連載 中小企業の目線から「経営者への応援歌」

【執筆者】
保険サービスシステム株式会社 部長
保険サービスシステム社会保険労務士法人 代表社員

特定社会保険労務士  馬場 栄 (ばば さかえ)

馬場 栄

年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。「労務リスクをなくし、中小企業を守る」を使命とし、その経営者側に立つスタンスが高い評価を得ている。

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