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第9回 使用人兼務役員の上手な活用法

【納税通信】 2009年連載(全20回) 「目から‘ウロコ’」社会保険料がコストセーブできる!

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 (2009.05.25)

使用人兼務役員の上手な活用法

兼務役員と専任役員の違いはでしょうか。

中小企業では、古くからいる功労者を役員として迎え入れているケースが多く見られます。
しかし役員にはしたものの、職務内容は以前と変わらず、名称上や全体的配慮から役員としているのが実態ではないで しょうか。

ただ単に工場長である、あるいは営業部長といった名称で労働者として働いている場合問題は発生しませんが、役員に昇格させる場合、事情が大きく変化します。
なぜなら、役員は原則として労災保険と雇用保険は適用除外となるからです。

そのため、例えば業務中に事故でケガをした場合、健康保険は使えない(健康保険は業務外の事故が対象)ので、全額自費で治療しなければなりません。
また、万一死亡の場合や後遺障害が残った場合などは、本人や遺族からの損害賠償に発展しかねません。

しかし、現実の中小企業でそのような状況を想定しているケースはまれではないでしょうか。

兼務役員にするメリットは

そこで、工場長や営業責任者といった労働者としての身分を伴わせ持つ役員の場合、実態に応じて使用人兼務役員にすることを検討しましょう。

兼務役員にするメリットは大きく分けて3つあります。

(1)労災保険への加入が可能になる。
労災保険では、治療費は全額負担(健康保険では7割負担)され、かつ、完治するまで無期限の補償となります。
また休職時には報酬の補償があり、万一死亡の場合や重度後遺障害が残った場合は、遺族や本人に年金として受給権がある限り支給が続くといった利点もあります。
多くの企業ではこの利点を知らず、役員・社員の補償として民間の傷害保険で対応されているのが実態ではないでしょうか。
傷害保険は支払限度日数や限度額が決まっているなどデメリットがあるので、労災保険で対応するほうが、企業にとっても労働者にとっても有利であることは一目瞭然です。

(2)雇用保険に加入できる。
労働者的要素の強い役員は、雇用保険の被保険者とすることができるので、高年齢雇用継続給付や各種公的助成金の対象者とすることが可能となります。

(3)兼務役員は使用人部分に対して支払われる賞与は損金算入も可能になる。
兼務役員にすることで税務面でも有効になります。

報酬は使用人部分の割合を50%以上に

兼務役員にする場合、報酬の支給に際しては、役員部分と使用人部分とを分けて支給します。(※下図参照)

【【資料】役員は使用人兼務役員にすることを検討する※

※ 事業所を管轄する職安に「雇用保険被保険者資格取得届」及び「兼務役員雇用実態証明書」を提出する

 

ポイントは、使用人部分の割合を50%以上に設定して支給することです。それ以下で設定すると労働者的要素が弱いと判断されかねないからです。

(つづく)

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納税通信2009年連載「目からウロコ!社会保険料がコストセーブできる!」

【執筆者】
保険サービスシステム株式会社 部長
保険サービスシステム社会保険労務士法人 代表社員

特定社会保険労務士  馬場 栄 (ばば さかえ)

馬場 栄

年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。「労務リスクをなくし、中小企業を守る」を使命とし、その経営者側に立つスタンスが高い評価を得ている。

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