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第3回 昇給したのに手取り額が減る!?

【納税通信】 2009年連載(全20回) 「目から‘ウロコ’」社会保険料がコストセーブできる!

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 (2009.04.13)

社会保険料が決定される仕組み

社会保険料は次の3パターンから決定されます。

  1. 毎年4月から6月までの報酬によって決定される定時決定
  2. 昇(降)給のときに決定される随時改定
  3. 資格の取得の際に決定する取得時決定

1の定時決定には4月から6月までの間に、平均報酬を算出して標準報酬月額を決定していきます。ここで決定した保険料が、その年の9月から翌年の8月まで保険料のベースとなっていくので、この3ヶ月間の給与の支払い方は大変重要です。

健康保険料・厚生年金保険料の計算方法
4月 5月 6月 7月 8月 9月
 算定対象月     改定

社員の標準報酬月額および標準賞与を決定し、保険料率を掛けて算出する。
算出した保険料は会社と従業員で折半する。
保険料の決定時期・・・定時決定・随時改定・資格取得時決定

定時決定「算定基礎届」
原則として、毎年7月1日現在の被保険者全員について、その年の4・5・6月に受けた報酬に基づき、9月1日からの標準報酬月額を決定。

収入額が違うのに取られる保険料は一緒

標準報酬月額は、健康保険は47等級、年金保険は30等級に分かれていますが、注目すべきは、この等級には幅がある、ということです。

平均月給27万円のAさんの場合、28万9999円(29万円未満)の月収の人と同じ保険料を支払ってしまっているのです(下表※1参照)。また標準報酬月額には上限があるということもポイントの一つです。

健康保険の場合は月収117万5千円、厚生年金の場合は月収60万5000円を超える場合は、月収がいくらであっても、支払う保険料は同額になります。つまり月収120万円の人も月収300万円の人も、支払う保険料は同じなのです!

昇給したのに手取り額が減る!?

次に、Bさんの例を見てましょう。
現在、平均月収39万4千円のBさんは、会社への貢献が認められ、仮に1000円昇給したとします。すると等級が1つあがり、表の※2のように、年間で42,396円増えることになります。

健康保険・厚生年金標準報酬月額保険料額差(平成20年9月1日〜)
標準報酬 報酬月額 健康保険※ 厚生年金 1等級ごとの
負担額差
(年額)
等級 月額 以上 未満 料率82/1,000 一般
料率
15.350/1,000
健保 厚年 会社
負担額
被保険者
負担額
会社
負担額
被保険者
負担額
会社
負担額
被保険者
負担額
〜(省略)〜
19 15 240,000 230,000 250,000 9,840 9,840 18,420 18,420 28,260 28,260
20 16 260,000 250,000 270,000 10,660 10,660 19,955 19,955 28,260 28,260
21 17 280,000 270,000 290,000 11,480 11,480 21,490 21,490 28,260 28,260
22 18 300,000 290,000 310,000 12,300 12,300 23,025 23,025 28,260 28,260※1
23 19 320,000 310,000 330,000 13,120 13,120 24,560 24,560 28,260 28,260
24 20 340,000 330,000 350,000 13,940 13,940 26,095 26,095 28,260 28,260
25 21 360,000 350,000 370,000 14,760 14,760 27,630 27,630 28,260 28,260
26 22 380,000 370,000 395,000 15,580 15,580 29,165 29,165 28,260 28,260
27 23 410,000 395,000 425,000 16,810 16,810 31,468 31,468 42,396 42,396※2
〜(省略)〜

※この表では介護保険については省略しています。

■保険料の計算手順

(例)正社員Aさんの4、5、6月の平均月給が270,000円の場合。
標準報酬月額は上表※1により、280,000円となる。よってAさんの保険料は(介護保険対象者)

[健康保険料]・・・・・・・280,000×82/1000×1/2=11,480円
[厚生年金保険料]・・・280,000×15.350/1000×1/2=21,490円

となる。いずれも、労使ともに負担する。

つまり、せっかくBさんも会社も努力して年額12,000円の昇給をしたにもかかわらず、結果的にはBさんの手取り額は年間約30,000円減ってしまうことになるのです。また、会社側の負担も42,396円増えているので、労使合計で年間約8万円もの「損」をしていることにも注目しなければなりません。 給与計算のわずかな手間を惜しまないチェックをすることにより、社員にはメリットがあり、会社のコストは大きく変わってきます。

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納税通信2009年連載「目からウロコ!社会保険料がコストセーブできる!」

【執筆者】
保険サービスシステム株式会社 部長
保険サービスシステム社会保険労務士法人 代表社員

特定社会保険労務士  馬場 栄 (ばば さかえ)

馬場 栄

年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。「労務リスクをなくし、中小企業を守る」を使命とし、その経営者側に立つスタンスが高い評価を得ている。

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